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Network Testbed JGN-X

JGN-Xインタビューvol.003

【JGN-X研究者インタビュー】『JGN-Xが目指す「ネットワークオーケストレーション」』

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4. JGN-Xとオーケストレーションする、大規模エミュレーション基盤「StarBED3
完全に閉域かつ広域の実証実験ができるだけでなく、RISEネットワークと融合したOpenFlowの実験も可能です。―

───続けて、三輪センター長の研究について、教えてください。

三輪:StarBED3という、新世代のICT技術の実験やプロトタイプシステムの検証のための大規模なエミュレーション基盤です。
JGN-Xは実態機器を使って広域に展開を図っている網(ネットワーク)であるのに対して、StarBEDは一か所に1000台を超えるPCサーバをギュッと集めた施設。ここにユーザさんがソフトウェアや実際の機器を持ち込み、施設内のPCサーバと組み合わせることで実際の動きや問題点を試すことができるエミュレーションのための環境を作っています。【図4-1参照】

───エミュレーションとシミュレーションの違いは・・・

三輪:シミュレーションは、単なるコンピュータ上での計算による分析手法ですが、エミュレーションは実際の機器やソフトウェアなどをもとに、実際に通信や制御の動作を行った上で分析する手法です。
製品開発のステップを例にとると、商品コンセプトやモデルが本当に正しいかどうかを判断するために最初に行うのがシミュレーション。それに基づいて、次にソフトウェアや実物を作りますが、それをいきなり広域の実ネットワークに入れて使う前に、閉じた環境の中で使ってどのような動作をし、どんな問題があるかなどを試す必要があります。これがエミュレーションですね。これがうまくいったら、次がJGN-Xのようなネットワークテストベッドで事前検証するステップがあり、それがうまくいったら製品として発売という流れがあると思います。

───河合室長のお話にも出てきた「研究開発プロセスのサイクル」ですね。

三輪:はい。このサイクルの中でエミュレーション部分を担当するのが、StarBED3の本来の役割だと考え、【図4-2】のようにさまざまなネットワーク環境やエミュレーション対象への対応を進めてています。
最近ではそれに加え、JGN-XをStarBED3のマッシブなPCサーバ資源につなげ、RISEのOpenFlowプレーンに大規模なサーバを混ぜた実験する機能などを提供することができます。逆に、StarBED3のエミュレーション段階でJGN-Xの方に浸みだし、広域網につなげて実験することもできますね。この混ぜ方の仕組み・メカニズムは、ネットワークオーケストレーションのコンセプトの一部で、複雑なネットワークを自由に構成するには全体を統合してコントロールできる枠組みが重要だと考えています。JGN-XというネットワークテストベッドとStarBED3というエミュレーションテストベッドのオーケストレーションという見方もできるかもしれません。

───では、いつもJGN-XとStarBED3はつながっているんですか?

三輪:はい、【図4-3】のように、StarBED3の実験用スイッチ群にJGN-Xはダイレクトにつながっています。ですから、同じチーム内で統一されたコントロールの中で浸み出し、融合していけるんです。テストベッド同士ですから、完全に閉域かつ広域の実験ができる環境なんです。
また、RISEネットワークに直結している系がStarBED施設内にセットされている状況になり、さらに融合が進んでいます。

───完全に閉域かつ広域の実験ができるだけでなく、RISEネットワークと融合したOpenFlowの実験もできるわけですね。

三輪:はい、StarBED施設のギリギリまでRISEコントロールの中にあるという感じです。現時点ではStarBED3とJGN-Xの利用の枠組みが少し違う部分もありますが、そこの整理と制御系をつなげて、1つのテストベッドとして使えるようにしたいと考えています。

───StarBED3のユーザさんは、どういうところが多いですか?

三輪:もともとは企業系、大学系、そして総務省などから直轄委託研究を受けられているところが中心的です。StarBED施設には1000台超のノードがありますので、使い方には製品化だけでなく技術開発の方もおられ、いろいろなパターンがあります。
これに、NICTの中も含めて新世代のICT技術創出の研究やNICTで新世代アークテクチャーをやっているチームの利用が増えてきています。

───最後に、これから利用を検討しているユーザさんに代わって質問です。JGN-Xと同様、StarBED施設の利用は無料ですか? また、利用に際しての足回りについても、教えてください。

三輪:はい、もちろん無料で使えます。北陸StarBED技術センターで、直接ご利用いただくこともできますし、遠隔からも可能です。
遠隔からの足回りについては、ダイレクトにJGN-Xを通じてStarBED施設にアクセス可能ですし、インターネットを通じても可能ですので、ぜひご相談ください。

───三輪センター長、ありがとうございました。


 

●JGN-X研究者インタビューを終えて
全てを語りつくしていただくには時間が足りませんでしたが、河合室長・三輪センター長・大槻研究員がわかりやすい言葉や具体例を選んでお話しいただいたので、とても興味深い時間となりました。
これらの技術はもちろん無料でご利用いただけるので、さらに多くのユーザの皆さまに、ぜひ活用いただきたいという思いを強くしました。この3人の研究者のお話がユーザの皆さまのきっかけやヒントになれば、うれしいです。
ありがとうございました。

【JGN-X及びこれらの技術に関するお問い合わせ先】
  jgncenter@jgn-x.jp



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三輪STCセンタ―長
StarBED3
2つのオーケストレーション
について話す三輪センタ―長

(北陸StarBED技術センター)



StarBED3とは?
【図4-1】
StarBED3
とは?

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StarBED3における研究開発課題
【図4-2】
StarBED3における
研究開発課題


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StarBED3の設備構成
【図4-3】
JGN-Xとダイレクトにつながる
StarBED3
の設備構成


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StarBED3が切りひらく高信頼性
【図4-4】
StarBED3
が切りひらく
高信頼性の全体像


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