(平成15年2月現在)

 「研究開発用ギガビットネットワーク」(JGN:Japan Gigabit Network)は、ギガビットネットワーク通信回線と共同利用型研究開発施設(ギガビットラボ)から構成されている。平成11年度の運用開始より約4年が経過し、多数の研究機関による利用が活発化している。
1.設備の現状

(1) ギガビットネットワーク通信回線

  • 平成13年度までにアクセスポイントの整備(全国66箇所)を完了
  • IPv6にも対応し、世界にも類を見ない大規模IPv6テストベッドとして運用

(2) 共同利用型研究開発施設(ギガビットラボ)

民間企業、研究機関等に開放している、情報通信分野の最先端の研究開発施設
・5 ヶ所 :
つくば情報通信研究開発支援センター
けいはんな情報通信研究開発支援センター
北九州情報通信研究開発支援センター
京都情報通信研究開発支援センター
岡山情報通信研究開発支援センター

(3) リサーチセンター

超高速ネットワークの運用・管理技術に係わる通信・放送機構の直轄研究施設
・10ヶ所 : 
幕張ギガビットリサーチセンター
高知通信トラヒックリサーチセンター
東京大学分室
東北大学分室
大手町IPv6システム運用技術開発センター
岡山IPv6システム検証評価センター
幕張IPv6システム検証評価センター分室
北九州ギガビットリサーチセンター※
大阪大学分室※
通信総合研究所分室※
(※平成14年4月から研究開始)
JGNのネットワーク全体構成
図1 JGNのネットワーク全体構成
(クリックで拡大できます)


2.ギガビットネットワーク通信回線の利用状況

(1)プロジェクト数

(1)一般応募プロジェクト
(研究機関数:延べ400
 研究者数:延べ1,360 )
140件
(2)公募利用プロジェクト
(研究機関数:延べ170
 研究者数:延べ469)
47件
(3)直轄研究プロジェクト
(研究機関数:延べ33
 研究者数:延べ206)
22件
合  計 (研究機関数:延べ603
      研究者数:延べ2,035)
209
プロジェクト数
(2) 公募研究の応募・採択状況

 通信・放送機構は、平成13年度まで、ギガビットネットワーク通信回線を利活用する、独創性、新規性に富む研究開発課題を公募し、採択された課題について委託研究または共同研究を実施する「ギガビットネットワーク利活用研究開発制度」を行ってきた。本制度は平成14年度より「戦略的情報通信研究開発推進制度」(総務省施策)に統合されたが、平成12年度、平成13年度採択案件は継続して実施している。

  応募件数 採択件数
平成11年度予算 91件 14件
平成11年度補正予算 55件 5件
平成12年度予算 44件 7件
平成12年度補正予算 73件

14件

平成13年度予算 29件 7件


 なお、平成14年度の「戦略的情報通信研究開発推進制度」では、「次世代ネットワーク技術」領域の応募件数が37件、うち採択件数が7件であった。

 課題名 提案機関
ユーザ主体のシームレスハンドオフを実現するモバイルネットワークプラットフォームの研究開発
東京大学
次世代ネットワーク(JGN-IPv6)の管理に関する研究
潟Tイバー・ソリューションズ
光信号処理波長ルーティングネットワークの研究
東京工業大学
ユビキタス空間を即興的に実現するマイクロ・ホットスポット・ネットワーキング技術に関する研究
慶應義塾大学
超解像度医療画像の記述・配信・提示技術の研究開発 筑波大学
ユビキタスインターネットのための高位レイヤスイッチング技術の研究開発 大阪大学
高速ネットワークを介した遠隔動環境の全周型実時間 テレプレゼンスに関する研究 奈良先端科学技術大学院大学
(3) イベント利用

 共同研究契約を行っている研究機関がイベントにおいてギガビットネットワーク通信回線を利用する「イベント利用」の件数も増加している。

  利用件数
平成11年度 17件
平成12年度 25件
平成13年度 43件
平成14年度 39件(2003年1月末まで)

(4) 研究開発成果

<論文発表件数(事務局で把握している件数)>

一般応募プロジェクト 885件
公募利用プロジェクト 149件
直轄研究プロジェクト 161件
合計(延べ) 1,195件


<成果発表事例

  • 「ギガビットネットワーク・シンポジウム2002 in 北海道」における研究会発表及びデモ・パネル展示
  • 各種情報通信関連イベントにおける研究発表
  • その他、以下の学会等で多数発表
電子情報通信学会、情報処理学会、教育システム情報学会、人工知能学会、日本機械学会、日本教育工学会、人工知能学会、言語処理学会、日本科学教育学会、画像電子学会、計測自動制御学会、日本バーチャルリアリティ学会、IETF、IEEE 他
(5)研究開発成果バックボーン区間別回線割り当て状況

すべての区間で設定帯域(CBRとUBRの合計)が物理帯域(2.4G)を超過 。

研究開発成果バックボーン区間別回線割り当て状況
(クリックで拡大できます)

CBR: Constant Bit Rate Service の略。
一定の伝送速度(Bit Rate)で通信を行うため、リアルタイム系の動画/音声サービスの実験や、回線交換の模擬実験等に用いられる。
UBR: Unspecified Bit Rate Service の略。
帯域割当てを行わずに通信を行うため、リンクが空いていれば、空いているリンク帯域全部を利用できるが、混んでいる場合には、伝送速度を下げて通信を行う。リアルタイム性の低い、データ通信(TCP/IPなど)の実験等に用いられる。



3.共同利用型研究開発施設(ギガビットラボ)の利用状況
(1)研究開発テーマ数

 つくば、けいはんな、北九州の3施設は、大型コンピュータ等を利用して、ギガビット対応の超高速ネットワーク技術や高度アプリケーション技術の研究開発を実施する施設として提供している。京都、岡山の2施設は、光ファイバー網を集積させ、超高速回線(ギガビット級)や情報端末などを整備し、光通信のテスト環境を提供している。
  それぞれの研究開発実施テーマ数は、以下のとおりである。

施   設 平成11年度 平成12年度 平成13年度 平成14年度
つ く ば 14件( 4件) 26件( 7件) 29件(20件) 50件(41件)
けいはんな 14件( 7件) 28件(22件) 26件(17件) 26件(11件)
北 九 州 12件( 6件) 28件(17件) 22件(10件) 23件(10件)
京   都 7件( 0件) 8件( 2件) 12件( 1件) 15件( 5件)
岡   山 7件( 0件) 12件( 1件) 29件(20件) 18件(4件)
注1:件数は長期利用と短期利用の合計。カッコ内は短期利用の件数
注2:つくば、けいはんな、北九州は平成11年4月、京都、岡山は同年10月に開所

(2) 研究開発成果

<成果発表>
 41件の学会における成果発表、及び、24件の論文採択があった。

<ベンチャー企業の設立>
 ウエルネスリサーチ(株)、NPO法人ままとーん

地域情報化への貢献
 情報ネットワークフェスタ、ITフォーラム2002等、地域の情報通信関連のイベントを支援

情報通信技術の普及啓発
 ギガビットセミナー、モニターボランティア委員会指導、指導員の意識向上等

5ラボ連携プロジェクト
 5ラボ連携でJGNプロジェクト紹介VODコンテンツを作成



4.直轄研究の状況

「ギガビットネットワーク研究開発プロジェクト」を通信・放送機構の直轄研究として実施。このうち下記1.エについては、新たな研究テーマとして平成14年4月から実施。

(1)研究内容

ア 超高速大規模ネットワークの運用技術に関する研究開発
 A. QoS改善技術に関する研究開発
 B. 回線制御技術に関する研究開発
 C. 超ギガビットネットワークの構築に関する研究開発
 D. その他,超高速ネットワーク技術の研究開発

イ 超高速大規模ネットワークを用いた高度アプリケーションおよび共同創造空間の研究開発
 E. 共同創造空間通信方式に関する研究開発
 F. 超大容量分散データベースに関する研究開発
 G. その他,高度アプリケーション技術の研究開発

ウ IPv6トラフィックエンジニアリング技術の研究開発
 H. IPv6ネットワークの運用管理技術の研究開発
 I. IPv6トラフィックの解析・制御技術に関する研究開発

エ アクティブネットワーク技術等を用いた新しいネットワークアーキテクチャの研究開発
 J. アクティブネットワーク技術等を用いたサービス運用管理技術の研究開発
 K. アクティブネットワークの実現に必要な計測技術の研究開発
 L. 高精度なネットワーク時刻同期技術の研究開発

(2)研究体制(参照)

プロジェクトリーダー:1名、サブリーダー:5名、センター長:1名、
研究員:11名、 招聘研究員:1名、研究フェロー:32名、アドバイザ:3名

(3)研究成果等

各種発表:150件、取材回数:34回 、特許3件(出願中)

(参考)昨年度までの累計
各種発表:107件、取材回数:30回 、特許3件(出願中)



5.JGNの経済波及効果

(2)経済波及効果

ア 直接的経済波及効果
 直接的な経済効果:1,586億円〜1,683億円(乗数は2.37〜2.38)
  ※一般的な公共投資の乗数は2.0前後

イ 研究開発の成果により、約2.2兆円〜2.8兆円の市場が創出
 ・ネットワーク系市場(ネットワーク機器、CDN市場 等) 1兆6,919億円
 ・アプリケーション市場(デジタルコンテンツ配信市場 等) 5,094億円〜1兆656億円

2.研究開発誘発・加速効果

  • 約40%のプロジェクトが、JGNを契機として企画立案された。
  • 既に企画されていたプロジェクトのうち、約50%の研究開発の実施をJGNが加速させた。
  • 以下の研究開発分野を特に効果的に加速させている。
    ・ IPv6、ネットワーク測定、相互接続
    ・ コミュニケーション技術、分散システム
    ・ e-ラーニング、デジタルコンテンツ配信、遠隔画像分析・診断システム

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